三人寄れば文殊の知恵 | 煮詰まっただんご汁

三人寄れば文殊の知恵

この物語はフィクションです。


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とある酒屋でのお話です。

酒屋の主人には三人の息子がいました。

息子達は高校を卒業しても毎日ブラブラしていて、主人は頭を痛めておりました。


そこで、主人は考えました。


小遣いは自分で稼がせよう。

店の商品を三人に渡し、売った分を小遣いにする。

そうすれば働くんじゃないか。


主人は三兄弟を集め、その旨を伝えると、当然三兄弟は反対します。

しかし、主人の意志は堅く、結局三兄弟は働くことになりました。


三兄弟はビールやジュースなどの飲み物を抱え、海にやってきました。

海水浴客に売ろうと考えたのです。


三人はそれぞれバラバラになって商品を抱え売ろうとします。

しかし、初めてで慣れていないために全然売れません。


炎天下で歩き回って喉が渇いた長男は、商品に手をつけようとします。

しかしそこで思い直し、ポケットマネーから300円取り出し、次男からビールを1つ買いました。


次男は売上があったことでちょっとやる気をだして、ビーチを走り回りますが、結局売れません。

炎天下を走り回り、のどが渇きました。

しかし、商品を手につけるのは勿体無いので、三男から買おうと考えました。

そして、ポケットを探るとちょうど300円あります。

三男からビールを1つ買いました。


三男は売上があったので俄然やる気がでました。

大声を張り上げ、アピールしましたが結局売れません。

喉を使いすぎてカラカラになってしまいました。

しかし、商品を手につけるのは勿体無いので、長男から買おうと考えました。

そして、ポケットを探るとちょうど300円あります。

長男からビールをひとつ買いました。


日もとっぷり暮れ、三人が集まります。

結局商品は完売でした。

兄弟は仲良く売上を三等分にして酒屋に戻りました。


酒屋に戻り、完売したことを父親に伝えます。

主人は「売上はいくらだ?」


三兄弟は手を差し出し、、、、、


手のひらには100円ずつ。

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